ノンフライヤー、ノーオイルフライヤー、エアフライヤーなど様々な呼び方がある機器ですが、ここではノンフライヤーで表記させて頂きます。
既に人気家電と言ってもいいノンフライヤーですが、使ったことがない方には、どんだけいいの? 買う価値あるの? 面倒臭くない? など疑問が多々あるかもしれません。
そこで私が使っているノンフライヤーを例に、ノンフライヤーのメリット、デメリットを考えてみましょう。具体的な部分は自分が使っているモデルの話になりますが、ノンフライヤー全般の話として書いてみますので参考になれば幸いです。
私はノンフライヤーに何を求めたか
ノンフライヤーは、高熱の温風を吹き付けることで揚げるような効果を出す機器です。揚げ物が煮物に比べてからっと仕上がるのは、水の沸点100℃に比べて食用油の沸点がはるかに高温だからです(サラダ油で300℃から500℃と言われています)。それだけ高温で短時間で調理できるのが揚げ物なのですね。
ただ揚げ物には、油っこくてくどくなる、摂取カロリーが心配、油の後始末が大変という問題があります。その問題を回避してくれるのがノンフライヤーというわけです。油を使わなければ、この3つの問題は発生しませんからね。私もこの3つのメリットを期待してノンフライヤーを購入しました。
私が選んだノンフライヤー
まずノンフライヤーを選ぶにあたって条件を決めました。
2. 高機能や沢山ボタンのある機種は選ばない →覚えなくても簡単に使える機種がいい
3. レビューをうまく拾い読みする →サクラレビューも混ざってる可能性があるので
4. 出来れば中華製のものでなく、それなりに知られたメーカーがいい →どうせ製造は中国なのですが
こんな条件で選んだ機種がこれです。
日本のメーカーの製品で、機能と操作はごくシンプル、価格も上位機種に比べてお手頃、サクラらしくなさそうなレビューを探して読んでみても概ね好評、ということで希望にぴったりです。
幅は29.5cm、奥行きは22.7cm、高さは28.7cm、重量は3.1kgです。1~2人用とのことですが、思っていたよりちょっと大きい感じがします。1~2人用炊飯器より高さがありますね。あと、前面に出ているハンドルがボリュームを増してる感じです。
使い方としては、常設ではなく使うときに出すことを想定していますので、収納する場合にこのボリュームを格納するスペースが必要ですね。出し入れに際して重さが気になるほどではありません。電源コードは取り外し式ではなく、本体裏から生えてるタイプです。
前面にあるダイヤルは、加熱時間のダイヤルです。30分まで設定可能です。
上面のダイヤルは、温度設定のダイヤルで 80℃~200℃に設定できます。
背面に排気口があり、高温注意のラベルが貼ってあります。高温の空気がここから抜けてきます。使用時に背面の壁などに接近し過ぎないよう注意する必要があります。
前面にあるハンドルを引くと、揚げ物を入れるトレーになっています。底にスノコの役をするプレートがあり、油は下に落ちるようになっています。このプレートは取り外しできます。
トレーの大きさは、コロッケで2個と他にちょっとしたもの、春巻きで4本とちょっとしたもの、という感じであまり色々並べることは出来ません。重ねると効果が弱まると思い、重ねないようにするとこれくらいの分量になってしまいます。1~2人用とはいえ、揚げ物を沢山用意したい場合には2度3度調理しなくてはならないでしょう。
また、このトレー全体は丸洗い可能で、本体で汚れる部分はここだけです。
定格消費電力は 1500Wです。実際の消費電力を計っていないので正確な電気代はわかりませんが、発熱する 1500Wの家電を参考に使用時間から大体の予想はできます。発熱する調理家電は、他の家電に比べてどうしても電気代は多くなる傾向にあります。
使ってみて感じたこと
まず、ノンフライヤーは油無しで揚げ物は出来ません。私は事前の調べで知りましたが、最初買おうと思う方はここを勘違いするかもしれません。じゃあなんでノンフライヤーなんて言うの、というと、少ない油で揚げ物風に調理できる機器、というのが正しい表現かと思います。どっぷり油に浸けずに少量の油で出来ます、そして完全な揚げ物ではなく、あくまでも揚げ物風です、という感じです。
少量の油とは、元々食品に油が含まれている場合、例えばソーセージやベーコンのようなものは自身の油で揚げ物風に出来ます。それ以外の油をほとんど含まない食品は表面に油を塗る必要があります。ここをどう受け取るかでノンフライヤーの評価は分かれると思います。食品に含まれる、あるいは含ませる油量と仕上がりの揚げ物らしさは比例しますので、揚げ物らしい揚げ物を食べたいと思うなら、多少のヘルシーさを犠牲にして油っぽくするしかありません。油を塗ることを除けば使うにあたって面倒はないですね。特に私が選んだ単機能の機種では迷うことなく使えます。
また揚げ物で必要な油切りが不要な点は、後始末も含めてメリットと言えるでしょう。
ではヘルシーさはどうかというと、間違いなく合格と言えると思います。あくまでも同じ揚げ物を食べるならば、という前提ですが、一般の揚げ物に比べて圧倒的に使う油の量が少ないです。ここも先ほどの揚げ物らしさとの兼ね合い判断してください。私はさっとオリーブオイルのスプレーを吹きかけるだけなので、普通に使う方より油量は少ない方かもしれません。
後始末については、もちろん揚げ油の処理は無いわけですが、トレーとスノコプレートは油まみれになります。キッチンペーパーで拭き取ってから洗いますが、なかなか油分を落とすのに苦労します。このへんは仕方ないことですけどね。
私が試した調理例
実際の使い方についても具体的に説明します。
私が使うのは、市販のフライ食品です。魚のフライ、コロッケ、ポテトフライ、春巻きなど揚げるだけの冷凍食品です。設定は180℃位で12~15分という使い方が多いです。これで片面調理して、裏返してもう一回、ですね。油を塗ると書きましたが、私は刷毛を洗うのが面倒なのでスプレー式のオリーブオイルを使用しました。
これは手軽で便利ですね。仕上がりは先に書いた通り、揚げたものとは別物です。揚げ物のカリっとした感じ、ジューシーな感じはありません。しかし火はちゃんと通っていますし、一応揚げ物風にはなります。ヘルシーさと美味しさのどちらを取るか、でしょうか。
コロッケは色々試したのですが、あまり美味しく出来ませんでした。私のやり方にもよるのでしょうが、どうしてもべちょ、ぐちゃな感じになってしまいます。また、片面ずつ揚げるやり方では、引っ繰り返す場面で崩れやすいのも気になります。
マッシュポテトはとても相性がいいと思いました。これは及第点が付けられます。
既に揚げてあります、と表記のある冷凍食品は、油を付けずに結構いい感じに仕上がります。電子レンジで加熱してからオーブンレンジで仕上げる手間よりは簡単だと思います。
冷凍の焼売にスプレーでオイルを吹き付けて調理してみたら、まあまあ揚げ焼売っぽく出来ました。
製品には8ページほどのレシピブックが付属します。これには鶏唐揚げ、サモサ、ライスコロッケなどが載っています。生肉を揚げる料理に関しては、肉自体が持つ脂がかなりありますがら出来そうな気はします。それ以外だと、大さじ2杯とかオイル50gとか、スプレーに比べてそれなりに油を使用します。私の場合揚げ物らしくならなかったのは、オイルをけちり過ぎたからかもしれません。でもそれだとノンオイルの意味がぁ~と思ってしまいます。それでも鍋で揚げるよりましだとは思いますが。
結局ノンフライヤーは買いなのか?
これは結論を出すのが難しいですね。結局、その人が揚げ物に何を求めるか次第だと思います。
揚げ物風な食品を手軽にヘルシーに食べたい方には強い味方でしょう。揚げ物は付きっ切りになりますが、これだとノンフライヤーに任せて自分は他の調理ができます。
一方で揚げ物はカラッとかりっとジューシーでなきゃ、という人には向いてないだろうと思います。調理方法を研究すればもっとましになるかもしれませんが、しょせんちゃんと揚げた揚げ物には敵いだろうと思います。
その狭間でどこを求めるかでノンフライヤーの価値が決まるでしょう。
あと温風を吹き付ける調理器具としてはコンベクションオーブンもあります。実は私は以下の機種を使ってます。
この機種は積極的に油を下に落とすことを意図した造りになっていませんが、同じような使い方が出来ます。しかもノンフライヤー的な使い方だけでなくトースターなどとしても使えます。私も買ってから機能が被ってるのでは、と思いました(笑)。
まあ使い分けはできますが、もしどちらか一方を選ぶとなると悩ましいですね。
結局ノンフライヤーの器具としての善し悪しは使う人次第、という当たり前の結論になってしましましたが、メリット、デメリットをしっかり把握しつつ自分のニーズに合わせて判断すれば後悔はないかと思います。
私の場合は、とにかく揚げ物を作るのが面倒で嫌なのですが、家族が食べたいというので仕方なく作る上では便利だなと思ってます。
まとめ
・ノンフライヤーは食品に含まれるか塗布した少量の油分で揚げ物風に仕上げる調理器具
・仕上がりの揚げ物らしさと油分の多さは比例するので、ヘルシーさと揚げ物らしさどちらを取るか
・ノンフライヤー任せで揚げ物が出来るのは便利
・後始末は実際の揚げ物よりは楽
・買う価値があるかは、それぞれのニーズ次第