シャープのヘルシオシリーズのヒット商品であるホットクック。
気になっている人も多いのでは? はたしてどのような製品なのでしょうか。
あまり使いこなしていない私ではありますが、レポートしてみます。
ホットクックの特徴
最大の特徴は「まぜ技ユニット」と呼んでるかき混ぜ棒が回転することです。
内ぶたの中央にJ字型のまぜ棒が付いており、このユニットが回転することで食材を攪拌します。目から鱗というか、今まで誰も考え付かなかったの、と驚いてしまいますが、シャープはこれに関して特許を取ってるようです。
このユニットの回転制御には330通りのパターンがあるそうで、調理の過程に応じて制御されるそうです。このユニットは、より美味しく調理してくれる他、調理が完了するまで蓋を開けずに済むので、完全にホットクック任せで料理が出来ることを実現しています。
これがホットクックが類似の調理器具との最大の差別点だと思います。
そしてもちろんタイマー機能もありますから、材料を仕込んで食事時間に合わせるように調理を完了させることが出来ます。夜に仕込んで朝食用に、朝に仕込んで出掛けて夕食時に出来てる、なんて使い方が出来ます。最近の流行でもある家事時間や負担を減らす家電なのですね。
この他、シャープ自身は料理によって微妙に火加減をコントロールすることや、密閉に近い構造で水分を逃がさないので無水鍋に近い調理が出来、食材の旨味を逃がさないことを特徴として挙げています。
ホットクックの種類と選び方
容量別に、1.0Lモデル、1.6Lモデル、2.4Lモデルがあり、それぞれ1~2人用、2~4人用、2~6人用という位置づけです。
容量 | 1.0L | 1.6L | 2.4L |
対応人数 | 1~2人 | 2~4人 | 2~6人 |
型番 | KN-HW10G | KN-HW16G | KN-HW24G |
それぞれに旧モデルがあり、型番の末尾のアルファベットが歴代を表し、記事を書いている現在では CからGまであります。
まず容量で選んで、もし旧モデルが市場にあり機能に不満がなければ旧モデルをお得に購入するというのもありだと思います。
私が購入した製品の説明
まず私がなぜホットクックを購入したかですが、単なる興味でした。今は在宅で作業していますので、ホットクックの大きな機能である任せて寝る、任せて出掛ける必要がないからです。
こういう調理家電や調理器具って興味をそそられるんですよね。あとホットクックで出来る料理が美味しいという評判が多いのも気になってました。
私が選んだのは 1.0LモデルのKN-HW10Gです。
電源コードは本体直付けではなく、磁石でコネクタが付くようになっているタイプです。幅は22cm、奥行き30.5cm、高さ24cmで、重さは3.7kgです。やや背の高い1~2人用炊飯器というイメージです。気が利いてると思ったのは、左右の下側に手が入るくぼみがあることです。下から抱えるように持って移動するのに便利な作りになっています。
蓋を開けるとこのようになってます。
見えているのは「蒸しトレイ」と称するもので、下段で煮物、上段で蒸し物をするための容器です。これを使えば上下で2種類の料理が同時に作れるというものです。実はこのトレイはまだ使ったことがありません。
蒸しトレイを外すとこのようになっています。本体の作りは炊飯器と電気圧力鍋の中間な感じです。黒く見える内鍋も当然外せます。
レシピブックが付属しており、その他にもシャープがやっている COCRO HOMEというアプリ上で新レシピが公開されてダウンロード出来るようになっています。えっ? ダウンロード? そうです、ホットクックはネットにつながるIoT家電なのです。レシピ名を選ぶことで、全ての火加減やまぜ技ユニットの制御を自動でやってくれます。もちろん、自分で設定して調理もできます。人気メニューの肉じゃがを選択して運転開始するとこのように表示されます。
使ってみてどうなのか
IoT家電なので、初期設定でネットワーク設定があります。これは慣れない方には面倒だと思います。またネットワーク接続してIoT機器として使うには、スマフォのアプリ(COCORO HOME)をインストールして機器登録する必要もあります。メニューブックに載っているメニューは初期状態でホットクックに登録されていますし、新しいメニューをダウンロードしなくてもいいなら、これらの設定を省いて使うことも出来ると思います。
これらの設定を終えて使ってみると、ホットクックがよくしゃべることに驚きます。「任せて下さいね」とか「おいしく調理してますよ」とか「あと〇分で出来上がりますよ」とか、こんなによくしゃべる家電は初めてです。音量を変える設定はありますが、この案内ボイスを消す設定は説明書に見当たりませんでした。人によってはこの仕様はウザいかもしれませんね(笑)。
ダウンロードする新規メニューを含めて、ホットクックにメニュー名があるメニューに関してはメニュー名を選択して開始するだけで何もすることがありません。既存メニューには材料や準備のレシピ(というまでもない調理メモほどの情報ですが)が用意されているので、その通りに材料、調味料を用意してホットクックに入れるだけで調理開始です。手動で調理する場合は、調理方法のカテゴリーを選択し、まぜ技ユニットの使用の有無を選択し、調理時間を設定します。多分、この場合は火加減やまぜ技ユニットのきめ細かい制御は行われないだろうと思われます。
私は評判のよい肉じゃがや鶏と大根の煮物や豚バラ大根などの煮物を作ってみました。これらはちょっとびっくりする仕上がりに出来上がります。味のしみ具合、材料の煮あがり具合がなかなかです。火加減とまぜ技ユニットの制御が絶妙なのでしょうね。レシピブックも半分ほどが煮物、スープ類のメニューで自信のほどをうかがえます。他には蒸しトレイを利用した蒸し物、麺類、御飯類、蒸しトレイを活用した上下二段の調理、発酵・低温調理、お菓子などがレシピブックに並びます。
あとは調理ではありませんが、温め直しや保温機能もあります。
使ったあとのお手入れに関しては、炊飯器や電気圧力鍋と同様と考えてよいです。油を使う可能性が多い点では電気圧力鍋と同じですね。内鍋や内ぶたは油汚れになる可能性があります。調理中に発する水蒸気の出口となる蒸気口カバーと、内ぶたの水滴が溜まるつゆ受けは取り外して洗うことが出来ます。
また内鍋に汚れがこびり付いた場合に水を入れて加熱するお手入れモードがあり、使っていて臭いが気になり出したら手動設定の蒸しモードで運転することが説明書に書かれています。
定格消費電力 350Wの調理家電なので、電気代は炊飯器と同等と考えてよいのではないでしょうか。保温機能や温め直し機能を使うと若干上乗せになります。
まとめ
私は時短調理や不在時の自動調理を狙って購入したわけではないので、そのような目的の方とは感想が異なるかもしれないことを最初に断っておきます。
私が使って便利だと思ったのは、キッチンを占有せずに一品(場合によっては二品)を自動調理出来て、その間に自分は別の料理を作れることです。これは結構助かります。それでいて自動調理とは思えない仕上がりで作ってくれますから大助かりです(確認したのは煮物ばかりではありますが)。使い方もレシピ内蔵メニューに関しては超カンタンで、手動設定の調理も難しいことはありません。これは売れるのも納得です。
ただ書きましたように、使う前のネットワーク設定はちょっと面倒と思われる方もいらっしゃるかもしれません。苦手な方は得意な人に頼んでみてもいいかもしれませんね。IoT機器として使わず、スタンドアローンの家電として使うなら設定しないで使ってもいいかもしれません。
特に大きな不満もなく、メリットも多いホットクック。これは買いでしょうか? 答えはこの便利さと価格のの天秤になると思います。私は 1.0Lタイプでしたが、容量が大きくなると価格も結構高くなります。自動調理にその価格の価値があるなら買いではないでしょうか。朝おかずを自動で調理しておく、仕事前に仕込んで帰宅後に食事する、などという方にはかなり強い味方になってくれそうです。
私にはそのようなニーズはなく、時々思い出したように使う、という勿体ない使い方をしています。でも自動調理のお味を経験できたので満足してます。
・ネットワーク設定がやや面倒な以外使い方は簡単
・材料、調味料を入れたら完全にホットクック任せで完成
・煮物に関しては普通に美味しく出来る
・手入れは電気圧力鍋と同等
・自動調理機能が価格以上の価値があるなら買い